「四月怪談」

幽霊、制服、変人

1988年作品 監督…小中和哉 主演…中島朋子

四月怪談 [DVD]
大林宣彦「ふたり」に先駆けて、中島朋子が幽霊を演じた作品で、原作は大島弓子。話は原作にほぼ忠実だが、多少の相違もある。原作では中性的で正体不明の美少年幽霊を、映画では柳葉敏朗が男っぽく演じ、過去の話も交え人物に厚みを持たせている。このキャラがいい。また変人「夏山登」役を、角田英介が好演。クラスで変人扱いされているようなキャラが出てきて、そいつが実はいい奴、そんな筋の映画に外れは無い(と、中原昌也も言っていた)。話を整理して具体的にすることで、原作の持つ寓話的な凄みこそ無くなったが、結果各キャラに感情移入しやすい、愛すべき映画となった。「ふたり」とは違い、こちらの中島朋子は純真なアホキャラを楽しそうに演じており、何と言うか、実にかわいい。
ちなみにこの頃、小中和哉は「1+1ワン・プラス・ワン」というフォト・アニメーションブック(マンガを写真でやっている。表紙は大島弓子)も作っており、こちらも他愛ないが愛すべき作品だった。